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「えぇい!捜すぞ!」
だが、こんなことをしている場合ではないと、首を放してやると涙目になっていた。
「ケホッ!ケホッ!言われなくても……って!素っ裸で捜すのかぁ!」
「……已むを得ない。」
と歩き出すが、スッと手を掴んで引き止められた。
その手は湯の為か解らないが、仄かに熱くそして柔かかった。
「って待ったぁ!ちょい考えがある。」
と提案してきたので、わざわざ素っ裸で行く必要ないかと納得して次の言葉を待った。
~紅緋View~
何者かに服を盗られた俺たちは、とりあえず首に下げて無事だった俺の袋からウルフの毛皮を取り出した。
「そんな物で何をするんだ。って、それよりも気になっていたのだが、その袋はお湯大丈夫だったのか?」
とレイアが尋ねてきたので、応えてやることにした。
「ああ、こいつはキマイラの皮で作った特別製だからな」
ちょっと得意気に胸を張ると、自分で聞いたくせに「へぇ~」と相槌を打つだけでその反応は薄かった。
まあ、ちょっとムカついたが、怒るのも面倒なので話しを続ける。
「それでこれから何をするかというと……服を作る。」
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