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俺は体を素早く反らしそれを避わすと、少女の眼前に行く。
「きゃっ!?」
少女は驚き怯え目を固くつむり身を縮こました。
俺はそんな少女の額を軽く人指し指でツンッと突くと、少女に向かって微笑んだ。
「人の物盗っちゃ、メッだよ。」
俺がそう言うと少女はパッと目を見開き、驚いた様子で俺を見つめた。
俺が微笑んだままで待っていると、少女は目に薄っすらと涙を溜め、オズオズと頭を下げる。
「……うっ、うん。ご、ごめんなさい。」
「うん。いい子、いい子。」
俺は安心させる意味も籠めて少女の頭を優しく撫でてやった。
すると、少女は俺たちの前で初めて微笑んだ。
ちなみに、この間レイアは目の前の出来事に呆気にとられ固まっていた。
ということで、とりあえず俺たちは少女から服を返してもらい着替えた。
それから、俺は少女が安心したところで少女に聞いた。
「あなたのお名前は?」
「ルゥは『瑠胡』っていうの」
「そう、瑠胡ちゃんかぁ。いいお名前ね」
「うん!ありがとう、お姉ちゃん。お姉ちゃんのお名前は何て言うの?」
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