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「……わかった……わかったから。独りは寂しかったよね。辛かったよね。……だから、泣いていいんだよ。お姉ちゃんの胸貸してあげるから。ほら……」
俺が優しく抱き締めた背中を撫でながら、諭すように言うとルゥはぽろぽろ涙を流しながら大声で泣き始めた。
~レイアView~
私は紅緋の腕の中で泣き叫ぶルゥちゃんを見ていて、その光景に思わず目頭が熱くなり頬が弛んでいた。
しばらくして、ルゥちゃんが泣き疲れ、そのまま紅緋の腕の中で眠ると私も二人に近く。
「レイア」
紅緋がルゥちゃんを抱いたまま私を呼んだ。
私が「何だ?」と聞き返すと、頭だけ動かし空を見上げながら言った。
「俺、ルゥを連れてくから」
私はわかっていたので、「そうか」とだけ応える。
少し間を空けて紅緋が「いいのか?」と聞いてきた。
これは予想外だったが、私は微笑みながらヤツに言ってやる。
「私が勝手に、お前の後に付いて来ているだけだ。気にすることはない。お前も勝手しろ」
すると、紅緋は私の方に振り向いて、極上の笑みを浮かべながら一言。
「ああ、勝手にする」
「こうして奴は、子持ちになったとさ。」
――チャンチャン――
「違う!!」
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