~序章~ ゲームオーバー

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大和は少々焦り始めた。確かに、目の前の自分は死んでいる。だが、普通の人には見えなくなっている自分は、天国や地獄にいくわけでもなく、まだここにいる。 このままでは、“深夜の病院を徘徊する○○!!”みたいな都市伝説が生まれるのも時間の問題だった。 大和は焦った。元々気が小さく、人に流されていくような性分なので、そうゆう大事は何としても避けたかった。 目に見える普通の世界では、泣き声や悲しみの声が響いてる中で、普通の人には見えない世界では、天に向かって謝罪と土下座とを繰り返す少年と、はたからみると異様な光景の病室になったのはいうまでもない。 夕日が完全に沈み、闇が辺りを支配し始めた。病室が片付けられ、少年は“病院の○○”になる決意を固めた時、それは起こった。 黒いマントを翻し、全身黒で着飾った服。身の丈以上はある大鎌を手に持ち、肩には可愛いハムスター。とまぁ、いかにもな少女が彼の前に現れた。 整った綺麗な顔つきで大人びた清楚な印象を与える雰囲気の女性だったが、肩にのせたハムスターのせいで、だいぶ幼く大和の目には写った・・・
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