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父親は酒が大好きだった。
アル中とかではないがとにかく量をたくさん飲む。
家には売る程あるわけだから止めても飲むし別に暴れたり悪酔いもしないので誰も止めはしなかった。
結論を言うと父親は酒で死ぬのだが昔から肝臓が悪く入院したこともあった。
きっと仕事でも家庭でも疲れていた父親の唯一の楽しみだったんだろう。
葬儀のときに見たこともないおじさんが僕にこう言った。
好きな酒で死ねたんだから本人も悔いはないだろう。
そんな馬鹿な…
守るべき家族を残して死ぬ人間が悔いを残さないわけがない。
死にたくない。
直前にそう思ったはずだ。
僕にはわかる。大好きな父親だから。
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