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家族全員集まって話し合いをした。
父親、母親、兄、僕、妹、僕の嫁、
始めての家族会議だった。
店には多額の借金があるので店は休めない。
父親と母親は言った。
僕は怒った。
死んだらどうしようもないんだし子供三人成人して働いてるんだから借金ぐらい任せてくれ。
頼むから病気を治してくれ。
必死に説得をした。
父親は泣きながら一言だけこう言った。
やっぱり持つべきものは家族だ。
きっとこのとき父親はすごい喜びと自分の身体に対する不安で一杯だったと思う。
後から聞いた話では母親に
またこの家に帰って来れるかな?
と言っていたらしい。
父親は僕と同じで気がかなり小さい。
本当に不安で怖かったと思う。
僕と違うのは父親は何があろうとも絶対に弱音は吐かなかった。
そんな父親が吐いた唯一の弱音であり生きたいという願望であったに違いない…
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