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キーンコーンカーンコーン…
授業の終わりを告げるチャイムが教室に鳴り響く。
「うっしゃあ!夏休みだぁぁぁ!」
そう叫んだ少年は机の上の教科書を閉じ、大きく伸びをした。
彼の名前は谷口 誠。性格は至って単純、考えるより先に体が動いてしまうタイプ。運動神経はそこそこの至って普通の高校二年生だ。
誠の叫び声で起こされたのか、隣の机で先程まで寝ていた少年が目を摩りながら誠をにらむ。
「…暑苦しいから騒ぐな。」
「そんなつれないこと言うなよ、俺とお前の仲だろ?」
その返事に少年はふうっとため息をつく。少年の名前は斑鳩 秀人。授業中、居眠りばかりしているが成績は校内でもトップクラス。顔立ちも整っていてファンクラブまである。性格は至ってクール。誠とは幼稚園からの付き合いだ。
「まあいくら言ってもお前は人の話を聞くやつじゃないのは分かってるけどな。」
「そんなに褒めるなよ。照れるじゃないか。」
相変わらずの誠に秀人はまたため息をついた。
「それより秀人、夏休み何かする予定あるのか?」
「寝る。」
「そっか。どっか旅行いこうぜ。海とか山とかさ。来年はどうせ受験やらで行けないだろ?」
誠は秀人の一つ返事を全く無視し話を続けた。すると二人の後ろから聞き覚えのある女性の声が聞こえた。
「やっほー二人ともなんの話してんの?私も混ぜてよ。」
「よう亜希。今、秀人と旅行に行く計画立ててるんだ。」
「俺は一言も行くとは言ってないけどな。」
彼女も二人の幼稚園からの付き合いで名前は坂本 亜希。比較的明るく活発な少女で昔から誠とうまがあい、中学の時もよく三人で遊んでいた。
「面白そうねぇ。私海に行きたいな♪」
「海いいねぇ。でも亜希のちっちゃい胸の水着姿じゃ…」
めきっ…
その瞬間、亜希の拳が誠の右頬を捉えた。
「ちっちゃくて悪かったわねぇ?次言ったら鼻にいくからね?」
「ご、ごめんなさい。」
「まあいいわ。秀人くんはどこがいいと思う?」
人の話を全く聞かない二人はやはり気が合うんだと秀人は再認識した。
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