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「やっぱり夏と言えば山でキャンプだよな。カレー食いたいし。なあ秀人。」
「え~私泳ぎたい~。秀人くん海の方がいいよね?」
秀人はあまり乗り気ではなかったがこの二人を放っておいたら何をしでかすかわからないため、渋々一つの提案をした。
「俺の死んだじいさんの持っていた山にキャンプ場がある。最近は客が少ないらしいからいつでも行けるぞ。あと、近くに遊泳できる川もあるから泳ぐ事も大丈夫だ。」
秀人の提案に誠と亜希は顔を見合わせ、
「「そこ行こう!」」
と綺麗に声を合わせた。
「んでいつ行く?亜希の親は大丈夫なのか?仮にも男と旅行いくんだぞ?」
「私んちは基本的に放任主義だから大丈夫よ。むしろ旅行行くっていったらにやにやしながら「大人になったわねえ」とか言うタイプよ。」
秀人は苦笑いしながら話を続ける。
「とりあえず今日、親父にキャンプ場について詳しく聞いてみる。いつ行くかはそれからだな。」
二人はうずうずしているようで顔には満面の笑みが浮かんでいた。それからはしばらく雑談を交わし、学校を後にする事になった。
「じゃあ私、水着とか買い物して帰るからまたね♪」
「おう。でも泳ぐなら別に裸でも…」
その瞬間、誠の鳩尾に肘打ちが入った。誠は苦しそうに顔を歪めた。それを見た秀人は苦笑いしながら亜希に話し掛けた。
「キャンプ場は確か周りになにもない田舎だったからな。必要になりそうなものは全部買っておいた方がいいぞ。コンビニもなかったと思う。」
亜希はその言葉に頷いて、
「うん。分かったよー。じゃあまた連絡してね。」
と言い残し、小走りで行ってしまった。
「なんか俺、かなりダメージくらったみたい。」
「…自業自得だ。」
「それはそうと暇だから今日泊まりに行っていい?親父さんからも話聞きたいし。」
誠の家と秀人の家は三軒しか離れていない。秀人も得に用事があるわけではなかったため、それを承諾した。
「じゃあまた後で。」
そして二人はそれぞれの家に入っていった。
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