オープニング『黒のお嬢様と、白の姫君』

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一部の例外を除いて誰もが寝静まる頃。遠野邸ではまだ明かりが点いている部屋があった。 「(どうも、寝つけませんね…。)」 その部屋には黒髪の女性がいた。いかにも気の強そうな外見をしているこの女性の名前は遠野 秋葉(とおの あきは)。ある事の管理を任せられていたりもする。財力も相当の物で所謂『お嬢様』である。 「(たまには兄さんの寝顔でも見にいこうかな。)」 遠野邸には秋葉以外にも何人か住人がいる。秋葉のお兄さんの遠野 志貴(とおの しき)。彼の使用人である翡翠(ひすい)。秋葉の使用人である琥珀(こはく)。そして様々な経緯で志貴の使い魔となった夢魔、レン。ちなみにレンは普段黒猫の姿をしているが少女の姿になる事も出来る。 「(先輩やあの女がいなければ良いですが。)」 毎度のように遠野邸(正確には志貴)を訪ねにやって来ては揉め事ばかり起こす迷惑な客人達の事を考え頭痛を起こしたように頭を押さえる秋葉だった。
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