53人が本棚に入れています
本棚に追加
次の日の朝。
僕は昨夜乾いたばかりの制服姿で学校へ向かっていた。
足を踏み出すたびに傷が痛む。
「よぉ!秀才!!まだ生きてん……のか!!?」
ドコッ
「っ……………!!」
校門が見えた時。
本日一発目は回し蹴りだった。
全く無防備だった僕は、簡単に体制を崩し、地面へ倒れる………はずだったのだが………
もう少しで倒れるところで、別の男が僕の体を受け止めた。
だが、その後どうなるか僕には分かっている。
「おっと!秀才君危なかったなー。もう少しで綺麗な顔に傷が付くところだった…ぜ!!」
ドカッ!!
「がっ……!!」
予想通り、僕を受け止めた男が腹部に拳を食い込ませる。
僕は足がフラつき倒れそうになったが、男は肩を組んだまま、離してくれない。
「おう、お前ら!今日は肩を組んでの登校か!!相変わらず仲が良いなぁ!!」
その時、登校指導の教師が僕等の姿に気付き、近付いてきた。
ジャージ姿で筋肉質の…まぁ、何処にでも居るような体育の教師だ。
最近結婚したのか、左手の薬指には真新しい指輪が眩しく光り輝いている。
最初のコメントを投稿しよう!