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この教師は先程の暴力行為を見ていない。
いや、見てるはずが無い。
だって、奴らは教師が見てない時にだけ僕に敵意を向けるのだから。
「当たり前っすよ!!俺等は秀才君の親友っすから♪」
「そうそう♪俺等は永遠に友情を育みますよ!!」
回し蹴りをしてきた男が、僕の片方に回り、肩を組んだ。
「おぅ!友情は大切にしろよ!!」
何も知らない教師が、満面な笑顔を僕等に向ける。
「「はぁい!!」」
彼達は笑顔で応え、教師から去った。僕を真ん中に挟んだまま。
「流石秀才君。何一つ斎藤に言わなかったな☆」
「そりゃあ、秀才ともあろうお方だもんな☆ちゃんと解ってらっしゃる!!」
「ぐっ………!!」
僕のことを崇めながらも、しっかりと二人は僕の横腹に拳をネジ込んでいた。
痛みと苦しさで僕は上手く歩く事が出来ず、二人から引きずられるような形で校舎へと連れていかれた。
この時、僕は思った。
本当に…馬鹿馬鹿しい人生だったなぁ……………と。
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