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授業が終わり、先生は颯爽と教室を去る。
僕も出来るだけ急いで教室から去ろうとした。
「あら秀才君。何処行くんですかぁ?」
―逃げ損なった…
出入り口に男が一人、待ち受けていた。
今朝飛び蹴りしてきた男、大野だ。
「……………」
僕は彼の質問を無言で返す。
「なんだよ秀才君。こっちが聞いてんのに、無視かぁ?」
「ムカつくな。まぁ、いつもの事だがな!」
ドッ!
「あ゙っ………!!」
背後から来た突然の回し蹴り。
ガラガラガシャ―――――ン!!!!!
僕は机を薙ぎ倒すようにぶつかり、その場に倒れた。
「おいおい!篠田!?そりゃ、顔に当たったらヤバいだろう!?」
「あ…すまん(汗)昨日K-1見てさぁ、ちょっとやってみたかったんだよねぇ♪」
「ああ!俺も見たぜ!!最高だったよな!!!」
「だよなぁ♪特に決勝はさぁ…」
二人は倒れている僕を全く見ようとせず、そのまま話題を盛り上げながら教室から出て行ってしまった。
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