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―はいはい。K-1ね。
僕は二人の声が聞こえなくなったのを耳で確認すると、よろめきながら立ち上がり、倒れた机を元に戻した。
回りからはクラスメイトの冷めた視線と会話が僕に降り注ぐ。
彼等は皆、傍観者だ。
直接僕には敵意を向けないが、この視線や会話は、ある意味暴力よりもダメージが大きい。
言い返そうにも、彼等は全く僕の体に傷を与えず、ただ回りで見てるだけだから、どうせこちらが何言ったって無駄だ。
『俺等(私達)は君に何もしていない』
そう言うだけ。
そう。彼等は何もしない。
僕が大野達に殴られようと彼等はただ見ているだけで、何もしないのだ。
僕はそんな事を考えながらようやく机を全て元に戻し終わると、そのまま教室を後にした。
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