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あいつらは担任教師のお気に入りだ。
学力はそんなに高くないものの、学生生活を含めた総合成績は常に高い位置にいる。
それは全て担任のお陰。
だから、二人は教師の前で『良い生徒』を演じる。
ちなみに、僕は学力ではいつも上位をキープしているものの、総合成績は篠田達とあまり変わらない。
まぁ、僕はいつも一人で生活しているから、学問以外目立つ事が無いのだろう。
それはそれで良いと僕は思う。
これが僕の個性であり、満足もしている。
まぁ、来年の大学受験には多少影響はあると思うが、それはそれで仕方ないだろう。
―……………あ
「僕もうすぐ死ぬんだったっけ」
忘れていた。
僕にはもう、未来を考える必要は無かったのだ。
―あ~あ…
僕はフェンスに背を向け、ゆっくりと寄りかかる。
「東大に受かって、あいつらを高いところから見下してやろうと思ってたのに、それも出来ず…このままやられっ放しで最期は無駄死にかぁ……………」
ツゥ…
なんだか凄く自分の人生が惨めに思え、涙が頬を伝って流れた。
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