迷い、悩む

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辺りを見渡すと、僕はおかしな事に気が付いた。 僕がいる場所からは沢山の人達が見えているのに、紫音があれだけ堂々と現れたのに、誰も僕達を見ていない。というより、気付いていないようだった。 「私達だけ、現実から切り放してるのよ。つまり、今だけ私達は現実に存在してない状態なの。分かった?」 「……………分かりました」 僕はもう驚くことさえも止めた。 だって、翼で空を飛んだり、僕達を現実から切り放したり、ゴシック系の服を私服を言い切ったり…これはもう、この世の常識は全く通じない。 って、服は違うか…(汗)。 「え…えっと………僕に何の用ですか?」 そう言った後で、マヌケな質問だったかな…と後悔した。 だが、今回はもう驚くばかりで冷静を保てるハズがないじゃん、と直ぐに開き直る。 「ちょっと途中経過を知りにね」 「途中経過?」 「そ。二つの選択、どちらにするつもり?」 「え……………」 腕組みし、微かに笑みを含んだ紫音。 僕は突然現実を突き付けられ、表情をこわばらせた。
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