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「……………………」
「……………………」
一時の沈黙が流れる。
「……………」
なかなか応えない僕に苛立ちを覚えた紫音が、何かを言おうと口を開こうとした時、
「ぼ…僕は………あいつらの何倍も勉強してきた。だから、あいつらよりも学力が上なのは当然なんだ」
僕は何故か質問とは全く違う話をし始めた。
紫音は開けかけた口を閉じ、僕の話に耳を傾ける。
「なのに……あいつらはそれを妬んだ。『生意気だ』とか、『ウザイ』だとか言って僕に敵意を向けてきた。こんなの絶対に間違ってる!!!」
「……………それで?」
怒りをぶつける僕に対して、紫音は腕組みをしたまま、無表情で僕の話を聞いていた。
「このままあいつらの思い通りに事が運ぶのは納得がいかない!!…でも、もし復讐を選んだら、僕は地獄へ墜とされるんだろう?そのも馬鹿馬鹿しい気がするんだ!」
「それで?貴方はどうしたいの?」
「……え?………だ、だから………………」
再び困惑する僕。
紫音は小さな溜め息の後、ふと何かに気付いたのか、背後に建つドアに視線を向ける。
「……誰か来るわね」
「え?」
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