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「水野さんだっけ?君は、大野達からそう言うように指示されたの?」
「え!?そ、そんな事無いよ!!」
僕の言葉に驚いた水野は、涙目になりながら否定した。
僕は疑うような目で水野を睨みつける。
「本当だよ!信じて!!だって、私…………っ!!」
言葉の途中で、水野はハッと口を両手で覆った。
「私は………何?」
「わ、私は…………………」
オロオロと視線をあちこちに向ける。
「な…なんでもない……」
視線を落とし、水野は何故か悲しげな表情を見せた。
「なんだよ、それ?」
「ごめんなさい。でも、私は加賀見君の味方だから……。それだけは信じて欲しいの……」
「…………………」
本当に信じていいのか迷った。
「…………………分かったよ。君を信じる」
僕は溜め息混じりに答えた。
どうせ、僕はあと3日の命。
ここでまた騙されたとしても、たった3日で大きな障害には変わらないだろうと思ったからだ。
「ほ、ほんとう!?」
僕の言葉を聞いた水野は、垂れた首を勢い良く挙げ、満面な笑顔で喜んだ。
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