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「え?」
話の途中が聞き取れなかった。
僕は聞き返したが、水野は「なんでもない」と慌てた様子で手を振った。
僕が聞いてはいけない話題だったのだろうか…。
「そ、それはそうと…加賀見君は、ココで何を買ったの?」
「え?…………あぁ…。ボイスレコーダーだよ」
話をごまかされた気分になったが、僕は紙袋を彼女の目の前に持ち上げ、素直に答えた。
「ボイスレコーダー?…ど、どうして?」
「さぁね」
「…………………?」
目をパチクリさせながら、頭上に『?マーク』をちらつかせて首を傾げる水野。
僕は何故かその姿が面白くなって薄く笑った。
「水野。君、面白いね」
ちょっとからかうつもりで、言ったつもりだったが、水野は予想以上に顔を真っ赤にさせた。
「……な!?な、何が!!?」
「反応が」
「~~~~~~~/////」
より一層赤くなる。
僕はその顔に我慢できず、遂に声を出して笑ってしまった。
この時、僕は気付いていなかったんだ。
「………おい」
「ん?どうした?………………あれは………」
この光景を大野達から見られていたことに。
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