選択の日

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「しお…………!?」 僕が彼女等に話し掛けようとすると、死織が人指し指を僕の唇に触れた。 「彼等に私達の姿は見えないわ。だから、もし彼女を助けたいなら私達の事は無視して、このまま彼等の方を向いて。」 優しく、だが緊張した表情で死織は言う。 「……………」 僕は黙って頷くと、ゆっくりと大野達の方へ向き直した。 「秀才君。お前知ってたか?水野がお前のことをどう思っているのかを!?」 「え?」 「お…大野…くんっ!?」 僕は、突然何を言い出すのだろうと思った。 水野が僕のことをどう思っているかなんて、分かるわけがない。 だって、一昨日から少し話してただけだったし。 「水野はテメーのことが好きなんだってよ!!!」 大野が怒りを込めて叫んだ。 「……………えぇ!?」 僕は驚いた。 自分のことが好きな女なんて、今まで一人もいなかったからだ。
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