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「俺は許せない…お前も…この女も!!!」
「きゃっ!!」
「!?」
ガシャン!!!
大野が水野をフェンスに力一杯に投げ飛ばした。
フェンスにぶつかって跳ね返る水野の腹部に、大野は拳を食い込ませる。
「っあ゙!!?」
水野は激痛に耐えられず、フェンスへ倒れ、うずくまる。
苦しそうに呼吸する水野に、大野が肩で大きく息をしながら、ゆっくりと近付く。
やばい!!
まだヤるつもりだ!!!
「やめっ「大野!!!」」
危機感を感じた僕は、水野を助けるために走り出す。
それと同じタイミングで、今まで端で怯えていた篠田が、大野を背後から覆い被さるように抱きついた。
「大野!止めるんだ!!」
「煩い!!お前も俺に逆らうのか!!?」
僕は篠田が大野を押さえているうちに、水野の元へ駆け寄る。
「大丈夫か!?」
「は…はい……………」
口では大丈夫だと言ってるが、そんなはずがない。
何故なら大野は、この高校でボクシング部のキャプテンを努めてるんだから。
いくらなんでも、こんな華奢な体に拳を向けるなんて、許されることじゃない。
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