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「う…うわぁぁぁぁぁ!!!」
僕の背後で、大野の叫び声が響く。
僕は大野へ振り返ると、大野は両手で顔を覆い、恐怖に怯えていた。
「俺が…篠田を…………こ、殺し…………………っ!!!!!」
「お………大野………くん……?」
目を剥き出してガチガチと震える大野の元に、水野が今だ痛む腹部を左腕で押さえながらフラフラと近付いた。
「ば、バカ!!!大野に近付くな!!!!!」
今の大野に近付いたら駄目だ。
僕は直感で感じた。
だが、水野は既に大野の直ぐ前まで来ており、不安そうに手を頬へ差し述べようとしていた。
「大野くん……………」
「………………あ……………」
そっと頬に触れた優しい手に気付き、大野はゆっくりとひきつった顔を上げた。
「水野……………」
水野の手を恐る恐る握る。
そして、不気味に笑った。
「水野………………一緒に死のう?」
「え?っ!!あ……………!!!?」
グサ
水野が言葉の意味を理解するまで待たず、制服に忍ばせていたナイフを取り出して彼女の腹部に深く刺し込んだ。
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