Saint Valentine's Day.小話集

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『トリュフチョコは見ようによっては泥んこ遊びと似ている』(政小) とある台所の前。 伊達軍の兵士達が入り口の前で何やら人だかりを作っていた。 どうやら中の様子を覗き込んでいたようだ。 「なあ…あれから2、3時間以上経っているぞ…」 「大丈夫なんだろうか、お一人で」 「馬鹿、俺らが出て来ても却って足手まといになるだけだ」 「でもよぉ…」 「あの人に不可能という文字があると思ってんのか?絶対やってのけると俺は信じるぜ」 「どうでもいいけど、さっきから中から甘い香りがしてこないか?」 「ホントだ。何を作って…」 「HEY!お前ら通行の邪魔して何を覗いてるんだ?」 兵士達が代わる代わる中を覗いてる背後に政務を一通り終えたばかりの政宗がいた。  台所が気になって背後の気配に気づかなかった兵士達は突然の政宗の登場に大変驚いたが、その直後にすぐ我に返り、しーっと声を出さないように注意を促した。 「筆頭、今大きな声出しちゃだめですよ!」 「おいおい、何があったんだよ」 「今小十郎様が、正念場を迎えてるんすよ!」 「はあ?」 必死な部下の様子に政宗訝しげに首を傾げた。
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