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それから暫くしてようやく火がついたものの、まだまだ暖をとるには少し足りないぐらいだった。松永がある程度枝を注ぎ足し終わると暖を取っている小十郎に視線を移した。
「なんだ、まだ服を着ていないのか。本当に風邪を引いても知らないぞ」
「てめえに心配される謂れはねえ。少ししたら着るつもりだ」
今の小十郎の姿は陣羽織を羽織っているので少しは肌寒さを感じないでいるが、その下はまだ下帯以外、何も着ていない状態だった。あれから時間が経っているので水に濡れていた体は若干乾いていたが、頭の方を見てみると毛先からまだ雫が少したれていて、端から見れば少し寒そうに見えた。
しかも、普段は後ろに撫で付けている前髪がほとんど額を少し覆い隠すように垂れていてそれがより艶めかしく小十郎の雰囲気を彩らせる。そのような扇情的ないでたちに松永は、「このままでは理性が持たないな」と苦笑した。
そして突然小十郎の腕をとって自分の方へ引き寄せると小十郎は体勢を崩してしまい、松永に後ろを預けられるように倒れた。そして、逃げ出せないように片腕で後ろから回り込むように腰を抱かれる。
「…!何をしやがる!!離せ!!」
「意地を張るな。体がこんなに冷え込んでいるではないか」
そう言って空いている手が陣羽織の下の小十郎の肌を這いずり回る。若干水に濡れて湿っていたのか触ると吸い付くようにしっとりとした感触に松永はわずかに興奮した。そうしてまさぐる手を乳首の方へと動かして指で転がすように摘むと、抵抗していた小十郎の体が大袈裟なほどにびくりと震える。
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