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(そんな人間もいるんだな・・・深いな・・)
自分の専攻が心理学だったため
隼人は人間の感情や心理
それにおける行動や仕草に対する見識はそれなりに持っていた
だが彼自身はあまり他人とのコミュニケーションがうまくとれず、
その知識は宝の持ち腐れとなっている
それとは逆に、
講義や実験から得た知識にはない行動を示す存在達に、非常に興味だけは持っていたのだった
「お・・・・・・やと・・・」
(・・・・・)
「おい!!隼人!!」
『・・・ん?どうした?』
「どうしたも何も、
お前次の講義、
ここだろ?
何ぼ~っとしてんだょ」
どうやら隼人は一度1つの物事を考えだすと
他の事には関心や注意を削ぐらしい
「しっかりしろょ・・・・
ほら、お前のお姫様が来たぜ」
(・・・?・・・・!?)
[ハヤトー!!マッテ-!!!]
廊下の端で早紀が駆け寄ってくるのが見える
『な!?
あいつはそんなんじゃ・・』
慌てて反論しながら隼
人は後ろを振り返ったものの
(もうあんなとこに・・・)
すでにそこに怜の姿はなく、
紀とは反対方向の廊下の端にまで着いており
ハイハイと言わんばかりに片手を振りながら
講義室へと消えていった
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