~日常~有木美紅 上永谷 怜

7/8
前へ
/420ページ
次へ
(そんな人間もいるんだな・・・深いな・・) 自分の専攻が心理学だったため 隼人は人間の感情や心理 それにおける行動や仕草に対する見識はそれなりに持っていた だが彼自身はあまり他人とのコミュニケーションがうまくとれず、 その知識は宝の持ち腐れとなっている それとは逆に、 講義や実験から得た知識にはない行動を示す存在達に、非常に興味だけは持っていたのだった 「お・・・・・・やと・・・」 (・・・・・) 「おい!!隼人!!」 『・・・ん?どうした?』 「どうしたも何も、 お前次の講義、 ここだろ? 何ぼ~っとしてんだょ」 どうやら隼人は一度1つの物事を考えだすと 他の事には関心や注意を削ぐらしい 「しっかりしろょ・・・・ ほら、お前のお姫様が来たぜ」 (・・・?・・・・!?) [ハヤトー!!マッテ-!!!] 廊下の端で早紀が駆け寄ってくるのが見える 『な!? あいつはそんなんじゃ・・』 慌てて反論しながら隼 人は後ろを振り返ったものの (もうあんなとこに・・・) すでにそこに怜の姿はなく、 紀とは反対方向の廊下の端にまで着いており ハイハイと言わんばかりに片手を振りながら 講義室へと消えていった
/420ページ

最初のコメントを投稿しよう!

745人が本棚に入れています
本棚に追加