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「…くっ…クソ!!一体何なんだあいつらは!!」
暗闇の夜道を1人歩く男がいた。
「何でみんなどっか行っちまったんだよ…あれほどはぐれるなと言っていたのに…クソが!!」
カ-ン!! コロンコロンコロン・・・・
男は苛立ち、道に落ちていた空き缶に意味も無く当たり散らす。
「ハァハァ…ちっ、痛ぇょお…なんでこんな事になっちまったんだよ…!!」
一体何に怒りを向けているのかはわかりえない事だった。
そしてそんな彼は、腕に怪我をしているようであった。
いや…ただ怪我と呼ぶには傷が深すぎる。
着ていた服を破ったのか、腕に包帯代わりとして布のような物を巻きつけていたが、それを布と判別させづらいほどの血が染みでており、腕の先からポタリポタリと血が滴り落ちていく。
ドサッ!!
「…痛ぅ…もう歩けねー…」
体は既に満身創痍な状態となっており、コンクリートで仕切られた塀にもたれ掛かり、滑るようにして地面に座わりこむ。
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