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(やばい…寒すぎだ…)
男は再び歩き始めたここで待つより、何か行動したほうがいくらかマシと考えているようだ。
一軒家が連なった通りを抜け商店街に向かっていく。
(早くこの腕の出血もとめなきゃな…なんか全身が…ダルくなってきたぞ…)
「ふう…みんな…無事かな……」
しばらく歩いた彼だが、急に動きが止まった。
疲労と痛みと寒さで意識が薄れもうろうとしていく。
そして、ついに耐えきれなくなってしまったのか、コンクリートの壁を再び背にしながら、ズルズルと体を地にへと落としていった
月明かりが彼の全身を照らしているのだが、その月自身も迫り来る暗闇に身を潜め、希望の光を照らす事をやめてしまったのだった。
そして男もまた、深い闇へと包まれていった。
心も…
体も…………
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