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毎年、バレンタインデーになると、色んな女の子達が彼にチョコを渡そうとするが、彼は受け取る事は絶対なかった。
ただ1人を除いて…
『お前さ、その呼び鈴鳴らしてすぐ中に入る癖、止めろよ。』
隼人はあたふた着替え始めた。
「別にいいじゃん。お風呂だって一緒に入ってた仲なんだし」
彼の着替えを待っていた女はベットの上に腰掛け始めた。
『だからって・・・お前、俺だから良かったものを他の男なら襲われてもおかしくないんだぞ?それにお前、俺だって1人暮らしの健全なる男ってのを忘れてないか?』
大学に向かう為の準備をしながら、もっともな意見を述べるのだが…
ジー…スチャ
(げっ・・・)
不穏な音に気づいた隼人は恐る恐る後ろを振り向く。
「・・・あら?この私がそんじょそこらの弱っちぃ男に負けるとでも?それと隼人・・・あんたそんな目で私を見てたの?」
そこには自らの竹刀の先を彼の眼前に指し、口元をひくつかせながらにこりと笑う、彼の幼なじみの姿があった。
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