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ブォー ププッ
ザワザワ・・・・
タッタッタッタッ
人混みが入り混じった交差点の中、2人の男女が肩を並べながら同じ方向に進む。
道行く人々の雑踏を掻き分けるように進む二人はとても仲良さげだ。
「ねえ隼人?もうすぐ夏休みだね。」
彼女の名は西村早紀、前田隼人の幼なじみだ。
○○大学2年生、専攻学科は隼人と同じ。
彼女は実に活発で、しかも容姿端麗、頭もいいときてる、とても非の打ちどころがない女なのだが、ただ1つ難を言うならば活発さゆえのその男勝りな性格、女らしさの少なさであった。
『・・ああそうだな。』
ぶっきらぼうに答える隼人に対し、早紀は…
「さっきはごめんってば!!
あっ!?今日帰りにあそこのラーメン屋奢ったげるから許して?」
そのつぶらな瞳をうるうると輝かせながら上目使いをし、必死に許しを乞う。
『うっ・・・!?ま、まあ許しやるか・・・これからは気をつけろよな?・・・ボソ・・・ラーメン・・・あそこ美味いって有名なんだよな・・・まだ食った事なかったんだよなぁ・・ボソ』
(・・・反応したのはそこだけですかい・・・このラヲタ)
彼女は女性という苦手な人種を持つ隼人にとって唯一まともに相手ができる存在であった。
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