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俺は本当にもう一度存在しているのだろうか…。
それが不安だった。
実感が全くない…。
桜が咲くのと同時に外に出てきたのだから…。
遠くの方では、小さな子供が楽しそうに親と手を繋いでいた。
俺:「…俺の居場所はあるのかな…。」
*:「お困りですか?」
その人は椅子に座っていた俺に話しかけてきた。
俺:「困ってないって言ったら嘘になるかな。」
*:「悩み事…ですか。」
俺:「まぁ、そんなところかな。」
*:「これ、食べます?」
俺の目の前には小さな桜餅がちょこんと手のひらに乗っていた。
俺:「おいしいよ…。ありがとう…音姉…。」
俺がこの世界で一番会いたかった人、お礼を言いたかった人…。
音姫:「おかえりなさい、弟くん!」
俺と音姉は抱き合った。
俺が消えてしまったあの日からの出来事について話しをしよう。
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