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「はい!そろそろ児童館しまるから帰ろうね~、〇〇地区の子たち並んで下さあい」
先生に言われて、玄関のまえに並んだ。
周りにはあたしの幼なじみが10人くらい。年はバラバラ。
みんな同じマンションの子たちだ。
「「せんせーさよおなら!」」
「はい、さよなら。気を付けて帰ってね」
外にでると辺りはもう真っ暗。
みんなできゃいきゃい騒ぎながら家にむかう。
突然、M君が声をあげた。
「おい……、あのおじさんなんか変じゃない?」
見ると、あたし達が今から通る道を遮るように全身真っ黒でボロボロの男が立っていた。
髪はゴワゴワと広がり、顔の半分が真っ黒なヒゲで覆われている。
また、痩せているせいで眼球が飛び出しているようにみえた。
足取りはフラつき、体が右、左、といったりきたりしていた。
そのたびにダボダボの黒い服がゆらりと揺れ動く。
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