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2006年、1月――
雪がしんしんと降る中で、黒い喪服をきた人達が歩いていく。
この季節だと、こんな光景は珍しくないのかもしれない。
あたしは、おじいちゃん家に来てた。
おじいちゃんが、死んでしまったから。
黒い服の集団の中で、あたしは1人、ぼーっとしていた。
ちょうど1年前、おばあちゃんが死んだ。
おじいちゃんは植物状態だったおばあちゃんが、いつか目を覚ます日を信じて毎日病院に通っていた。
そんなおじいちゃんの想いも叶わず、おばあちゃんは容態が急変、あっという間に息をひきとった。
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