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その頃からかな、
おじいちゃんはみるみる元気がなくなっていった。
近所の人に挨拶回りとかして、なんか身辺整理してるみたいに見えた。
「元気だしてよ!」
ってあたしが言っても、寂しそうに笑うだけ。
1月。
同居してた叔父さんが暗い声でおじいちゃんの死を告げた。
お風呂の湯船の中で心臓発作を起こして、そのまま……。
叔父さんが次の日の朝、見つけたらしい。
おじいちゃんは昔から熱いお湯が大好きで、しかも夜遅くに入るのが習慣で。
その日、叔父さんはもう寝るからとおじいちゃんよりも早く寝たんだって。
いつもよりも疲れてたんだって。
叔父さんはずっと
「俺のせいだ、俺のせいだ……」
って呟いていて、違うよ、って言いながらみんなで泣いた。
それでも一晩中独りでお風呂にいたおじいちゃんのことを思うと、胸がくるしかった。
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