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家に帰ってからは、疲れきっていたので犬と一緒にソファで爆睡してしまった。
お父さんとお母さんはまだ実家で色々なことを決めてから帰るといっていた。
家に一人でいるのは両親が共働きだったから慣れてはいたけど……
こんな日はすごく不安で仕方ない。
暫くウトウトしていたら、犬の吠える声で目を覚ました。
「なに……?誰かきたの?」
……吠え方が異常だ。
いつもなら何かあったとしても唸るくらいなのに、今はヒステリックなほど吠えまくっている。
人がいないドアの前で……。
嫌な汗がじんわりとにじむ。
薄暗い部屋のなかで、あたしは犬を抱きしめてなだめていた。
「大丈夫だから……。
……きっとおじいちゃんだよ」
何故だか、そんな気がした。
そう思うことで自分を落ち着かせていたのかもしれない。
でも今思うと、あながちはずれてるわけじゃなかったと思う。
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