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「……ふぇくしょん!!」
「おい、大丈夫か?!」
突然、弭那穂がくしゃみをした。
よくよく考えてみたら、長い時間待ってたんだし、雪降ってるし、明日は風邪を引くかもしれない。
「うぇ~やっぱ寒いね」
「無理して外で待ってるからだ。早く俺ん家行くぞ」
「だ、大丈夫だよぅ」
鼻をすすってにこりと笑う弭那穂。
……やっぱ可愛いよなぁ
「とりあえず、チョコレートはポケットにしまえよ。後でたん太に渡せ」
「うん……あ、もう一つあるの」
弭那穂がポケットの中から別の小さい箱を取り出した。
「今年はたん太ちゃんのチョコレートにお金使っちゃったから、コウ君のは作れなかったんだ……でもコウ君欲しそうにしてたから、今年はコンビニのチョコレートで許してね。来年は、ちゃんと作るからね」
コンビニで買ってきた小さい箱のチョコレート……か。
「……弭那穂は俺にだけチョコレートくれたら良いんだよ……」
「ん?なにか言った?」
ボソッと俺の口が勝手に言葉を言った。これが世に聞く本音ってやつか……って何言ってるんだよ俺!
「いや、なんでもない!早く行くぞ!体冷やしすぎたらまずいだろ」
「うん」
聞かれてなくてよかったぁ。
まぁ、今年はコンビニチョコレートで勘弁してやるか。
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