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走る!
とにかく走る!!
ってあんま距離ない~けど走る!!!
なぜかって?
大切な人が待ってるからだ!
「弭那穂!!」
公園に着いた!弭那穂を捜す……ってブランコにいるじゃん。
「あ……コウ君」
やっぱりいたな
そういやメールきたの、電話の更に一時間前だからこいつ二時間も待ってたのか?!
こんな寒いって時期に……
「馬鹿弭那穂!寒いの分かってるなら二時間も待ってるんじゃねぇよ」
肩が震えてるだろうが……
「えへへ……だってコウ君がいきなり帰ったから気になって」
気になったからって、二時間も待たなくても……
「とにかく、寒いだろ?
これ着とけ」
俺は学ランの上着を脱いで弭那穂に被せた。
「え?コウ君が寒くなるよ」
「俺は良いの、お前がダメなの」
「でも……」
「でもでもない!俺は不死身だから」
まぁ不死身かな?真冬池に落ちても無事だったしな。たかが、ワイシャツだし、その下にだって着てるから大丈夫だ。
「うん……ありがとう」
照れるな、照れるな俺!
俺は今からつらい試練を乗り越えなければならないのだから。
「お前良いのか、こんなところにいて?本命にチョコあげてないんだろ?」
「え……あ、今から行くの。行く前にコウ君が気になったから」
今から行くの……か。
「あのさ、弭那穂……」
「ん?」
弭那穂は俺を見上げて笑顔で返事をする。
卑怯なのか?
こんな状態で告白して……“好きだ”と伝えて。
「あのさ、弭那穂の本命ってさ……ずっと前から気になってるやつ?」
ん~やっぱり怖い。
今のはフライングで!
「うん、三年前からかな」
うぉ~なんで顔赤くなるんだよ。可愛い、可愛いって。
「それで?告白とかするんだろ?」
「え?で、出来ないよ。まだ仲良くなれないし」
三年間で他の男と知り合い想い続けているのか……
「弭那穂……大事な話がある」
「ん?……どうしたの?」
言ってしまおう。
このまま想いを告げれないままなんてダメだよな。
弭那穂は不思議そうに俺を見ていた。
フラれても……弭那穂なら良いか。
「弭那穂……俺……」
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