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ずっと好きだった
そういえば良い……
恋も幼なじみも終わるけど、
卑怯かもしれないし、彼女を傷つける事になろうとも、
ずっと想い続けたこの気持ちだけは伝わるさ。
「俺な……」
「あ、雪だよコウ君」
弭那穂が空を見上げて言うから俺も空をあげた。
白い雪がゆっくり俺達に降りてくるのが見える。
まるで今の俺に“頑張れ”と言っているようだ。
「綺麗だよねぇ…積もるかな?」
「さぁな~積もるかもな」
ナイス雪!
この雪の効果で一気に言ってしまえば!!
「弭那穂……話の続きなんだけど」
「ねぇコウ君、聞きたいことあるんだけど良い?」
え?
「私ね、どうしても仲良くしたい人がいるの……」
雪を見上げたまま、弭那穂は言う。
ああ、俺じゃなくて好きな相手の話か……
「なんだよ、ただ遠くで見てるだけなのか?」
「うん……」
弭那穂の性格じゃあ女ならまだしも、初対面の男とまともに話すこと自体無理だろうな。
「だってね、逃げるんだもん」
逃げる?!人見知りが激しい弭那穂が頑張っているというのに相手は逃げるのか?!許さん!!
「弭那穂が頑張ってるのに逃げるなんて、最低じゃないか」
「でもね、でも仲良くしたい。それでね……今日はコウ君に相談したくてここで待ってたの」
弭那穂は言い終わると俯いた。
こいつは本気なんだな……
「本気なんだな?」
「えへへ……」
笑いごとじゃないだろ……
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