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二人のやり取りを見守っていた、橘少年や警部補は何が起きたかわからなかった。
そんな視線に気づくと、美坂はニッコリと微笑む。
「さて…鼠、じゃなかった…鹿嶋忠汰警部。ふむ…名前も鼠っぽいんですねぇ…。犯人は多分、まだ学院内に潜伏してますから、閉鎖したほうがいいかと思いますよ。」
鹿嶋はまだ納得のいかないような顔をしていたが、渋々、他の刑事に厳戒体制を引くように言いつけた。
「そうそう、取り調べをしたいのなら、学院内のどこかに取り調べ室を作ってさしあげましょう。」
にこやかに美坂が言う。
警部補が橘少年に聞いた。
「ねぇ、あの先生っていったい、何者?」
橘少年も首を傾げて、呟いた。
「さぁ…?」
その時、後ろから声がした。
「ふぉっふぉっ、美坂先生はこの学院の護り人じゃて。影の支配者とでも言うのかのぅ?」
二人が振り向くと、色鮮やかに染めたアフロ髪でグラサンをかけた男が立っていた。
見るからに年齢不詳だ。
「あ、あなたは!?」
警部補が聞く。
「meは通りすがりのイケメン用務員、ゆーさ、ね♪よろしクーポン」
用務員ゆーさは陽気に答えた。
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