第一章・破られた静寂

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丹念に歯を磨いた後、洗面所から出る。 グズグズはしていられない。 コーヒーメーカーをセットしてから、寝室に戻り、クローゼットからワイシャツとネクタイ、ズボン、ベストを取出し、テキパキと着替える。 着替え終わると、寝室から出て、しっかりと鍵を閉めた。 つづいて、キッチンに向かうと、冷蔵庫から昨夜作っておいたサラダを取り出す。 テーブルに、サラダ、クロワッサンを置く。 そうこうしてる間に、部屋にコーヒーの良い匂いが漂ってきた。 コーヒーメーカーに近づき、お気に入りのマイセンのカップにコーヒーを注ぐ。 さぁ、朝食の準備ができた。 朝はいくら寝坊しても朝食をキチンと採らなくては、体が保たない。 まぁ、この男に限っては寝坊するなんて事はまず、ありえないが。 早々に朝食を済ませ、後片付けをすると、カバンを手に取り、部屋を出た。 もちろん、鍵はちゃんと閉めて。 男の部屋は寮の一番隅にある。 部屋を出ると、早起きの生徒達が挨拶をしてきた。 「美坂先生おはようございまーす。」
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