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寮から校舎へと続く道程は結構ある。
星峯院は幼稚舎から大学までのエスカレーター形式の有名校であり、敷地面積はかなり広い。
通う学生は、政治家の子息や、国を代表する各著名人の子息ばかりである。
かくいう、美坂もこの学院の卒業生であり、肩書きは元・貴族の伯爵子息だったりする。
見慣れた景色を通り、部活動などで早く登校している生徒達に挨拶をして校舎へと入った。
古く年代の入った校舎内を歩き、一階隅にある職員室に着くと、ガラッと扉を開けた。
「おはようございます」
一礼して、中に入ろうとしたその時、一人の少年が廊下をバタバタと物凄い音を立てて、走ってきた。
入り口にいた美坂を無視し、中へと勢い良く駆け込む。
「せっ、先生!大変っ!!て、てて庭園で人がっ!!」
職員室にいた教員達が一斉に、何事かとその少年を見つめる。
「人が死んでるッ!!」
少年のその一言に教員全員が騒然とした。
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