名探偵と呼ばれた男

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香野は南の言葉を聞いて驚く。 「ええ~!なんで~!!なんでですか南さん?」 南はニコッと笑うと答えを話しはじめた。 「答えは4人だよ」 「なんで4人になるんですか?」 南は紅茶を一口飲むと話し始めた。 「問題の最初に言ったじゃないですか“君は今バスに乗っています”って、だからバスには君以外の客が3人と君が1人乗っている事になる。あとは単純な足し算で3+1=4で答えは4人だよ」 その答えを聞いた香野は納得しつつも不満な顔をしていた。 そんな香野が南に話しかける。 「ずるいよ。ひっかけ問題じゃん」 それを聞いて南は香野に言った。 「ちゃんと問題を聞いていないからだよ。探偵ならば相手の話はしっかり聞かなくてはダメだ。話の中に重要なヒントや答えがあったりするからね。わかったかな?」 それを聞くと香野は納得した様子になって言った。 「探偵は人の話をちゃんと聞く」 そう呟きながら香野は小さいノ―トにメモをとった。 その光景を南は微笑みながら見ていた。 不意に南の探偵事務所の扉がノックされる。 扉の向こうから男の声が聞こえる。 「南、いるか~?」 南はその声に返事をする。 「はい、居ますよ。どうぞ入ってください」
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