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香野はコ―ヒ―を飲みながら、高田に向かいあうようにソファーに腰をおろす。高田も出されたコ―ヒ―を1口飲むと、香野を真っすぐに見て話しかける。 「それで、ファントムからの犯行予告は?」 香野は入れたコ―ヒ―にミルクと砂糖を入れて掻き混ぜながら高田の質問に答える。 「さすがに情報が早いですね。昨日、私宛に犯行予告が届きました」 香野はまたコ―ヒ―を飲む。まだ少し眠いのか2回ほど目を擦る。 高田は少し落ち着きのない様子で香野に話しかけてくる。 「あの怪盗ファントムとの対決ですね。私も仕事柄ファントムの噂は耳にします。私はあまりファントムには詳しくないんですが、なんでも伝説の怪盗らしいですね?」 香野はコ―ヒ―の味に満足したのか、少し笑顔になる。そしてまたコ―ヒ―を口に運ぶ。 それを飲み込むと高田の質問に香野はこたえた。 「ファントムが活躍していたのは今から約15年ほど前でした。 その当時のファントムは鮮やかすぎる手口で芸術品や歴史的に価値のある物を盗んでいました。そんな彼の鮮やかな手口はもはや、それだけで完成された芸術のようでした。彼は武器を使わず誰も傷つけず、目当ての物だけを奪っていく」 高田は香野の話しを一言も聞き逃さないように聞いていた。
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