名探偵と呼ばれた男

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~約15年前~ 暑い夏は過ぎて木々が冬支度のために葉っぱを落とし始めた季節。 男は窓に近付き半分ほど開けた。部屋に入ってくる風が白いレ―スのカ―テンを揺らしている。 空気は冷たさを取り戻し、肌をかすめる風は気持ちがよかった。 男は窓の前で深呼吸をする。 男は30代前半で身なり格好がきちんとしていた。キリっとした顔立ちで、身長も高め。背筋がピンと伸び姿勢がとてもいい。 今日は世間は休日だ。商店街はとても賑わっていて男の部屋の中にもその声が届いていた。 男は綺麗に片付けられた部屋の中にある自分のデスクから紙を一枚とりだした。それをデスクの上に置いて、冷蔵庫に向かうと買っておいたケ―キを二人分だしテ―ブルに置くと、今度は紅茶を二人分いれてテ―ブルに置いた。 男は腕時計を見て一言いった。 「そろそろかな」 男がそう言うと部屋のドアが勢いよく開いた。そして少年が一人元気よく入ってきた。 「こんにちは~」 少年は元気よく男に挨拶をした。 少年は小学校の高学年のようだ。 男は少年に挨拶をする。 「こんにちは。よく来たね」
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