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褒められた少年は嬉しそうに言った。
「そりゃ来るさ、なんて言ったって俺は名探偵 南 啓介の1番弟子だからね」
そう言って少年は胸をはった。
名探偵 南 啓介。
彼は1年前、世間を騒がせていた連続強盗犯を見事な推理で捕まえ、一躍有名になった。それ以来、南は名探偵と呼ばれるようになったのだ。
南は胸をはる少年に話しかける。
「この名探偵 南 啓介の1番弟子になれた事を光栄に思いなさい、香野 真治君」
南の1番弟子と名乗る少年は15年前の香野である。香野はこの頃、推理小説を読むのが好きで、物語りの中に出てくる探偵とゆう職業に憧れていた。そんな時に香野はある新聞記事を目にする“名探偵 南 啓介。連続強盗犯を逮捕”その記事を読んだ香野は、いてもたってもいられなくなり、勢いのまま南の弟子になったのだ。
南はいまだに胸をはっている香野に優しい笑顔で話しかける。
「では今日も頭の体操といこうか、香野君。さあソファーに座って。美味しいケ―キと温かい紅茶もあるから、食べながら僕と推理対決といこうじゃないか」
香野はその言葉を聞くと、待ってましたとソファーに座りケ―キを1口食べた。そして紅茶を飲み、南が出してくるであろう問題を待った。
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