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「岬―♪おはよう!」
リビングへ行くと、母さんの音符混じりの声が聞こえた。
『おはよ…。』
ピッと、テレビを付けると、朝の番組がかかっていた。
[おはようございます!さて、そろそろこの日が近づいてまいりました。
そうです。2月14日、バレンタインデーです!]
『バレンタイン、か。』
[バレンタインと言えば、数々の恋人が生まれる大切な日です。]
アナウンサーのお姉さんは、たくさんの人に笑顔を振りまいていた。
アナウンサーのお姉さんの声に混じって、母さんが質問をしてきた。
「岬は、アツヤくんにあげるの?チョコ。」
『まぁ…一応ね。
アツヤ甘いもの好きだから』
アツヤとは、あたしの彼氏の名前。
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