蒼天の銀狐

序章

　…A.D.2056
　地球の人類は、この星に一つの巨大な国家を作ろうとしていた。
　全世界統一主義を唱える中国、ユーロ連合を中心として作られたUnited nations of the world、通称U.N.Wは、次第に力を付けアメリカ、ロシアをその傘下にし、世界各地に圧力をかけてきた。
　その圧力にもめげず、独自の文化や政治形態を守ろうとする日本イタリアを中心に結成された分権派Guidancer of free power、通称G.F.Pは、独立戦争とも言うべく彼らに対して宣戦布告をする。
　ここに第三次世界大戦が幕を開けたのである

　A.D.2058･･･
　当初から軍事力で均衡していた中央集権派U.N.Wと分権派G.F.Pの戦争は、膠着状態に陥っていた。
　そんな中、18歳になったユウ･ナトリは国の法律で三年間の兵役の為に、富士吉田の軍(元自衛隊)の基地へ輸送される途中であった…。