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ドアを開けると、そこにいたのは、見たことの無いふわふわだった。
もふより一回りくらい小さい体。
白い毛を両方に縛ってて、片方をピンク、もう片方を黒く染めていた。
その子は、オレをキッと睨んだ。
そして、右手に持ってたちっちゃいメガホンを口元(ふわふわの口って見えないけどね)に当てて、しゃべった。
『あなた、マナでしょ?』
オレは、ヘッドフォンをしてないのに言葉が分かった。
このメガホンはそういう道具か……。
オレは、質問に頷いた。
と同時に彼女はしゃべりだした。
『私はあなたの彼女、もふの友達です。』
……だよねやっぱり。
……もふの仲良し……なら、この子がサリーか……。
サリーは感情を抑えようとしてるけど抑えられない感じで話し出す。
『最近もふの事放置しすぎじゃない?
もふは今でもあなたの事大好きなんだよ。
あなたがもふをどう思ってるかは知らないけど、通信位答えてあげてもいいんじゃない?
忙しいから?
そんな事ないでしょ。
あなたがもふを放置している間に他の人といる事は分かっています。
もふがそれに気付いたときどれだけショックを受けたかあなたに分かりますか?
もふの事何だと思ってんだよ。
ふざけるな!
あなたにとって彼女って何なんですか?
もしもうもふの事好きじゃないなら言いなよ。
男ならケジメつけろ。
もふはあなたの事考えて毎日泣いてるよ。
悩みすぎて体調も崩してる。
第三者の私が口を挟む事じゃないって事は重々承知だけどもふは優しいからあなたに本当の気持ちを言えないんだよ。
でも私はボロボロのもふをもう見ていられない。
これ聞いて少しでも何か感じたら今すぐもふに会ってあげて。
彼女は今、近くの公園にいるよ。
これでも分からないなら
私はあなたを許さない。』
その子はもう一度オレを睨んで、帰っていった。
オレはその場にヘナヘナと座り込んだ。
オレは、男じゃない。
とんだ意気地なし。
でも、もふがそんななら、
きっといつか好きな事を思い出すんだろうけど、
終わらせなきゃ。
オレは、コートを羽織って家を出た。
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