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Aクラスに着いた亮佑は扉を開けて愕然とした。
小学校での友達が1人もいなかったからだ。
[まじかよ…]
途方に暮れていると後ろから声がする。
『ちょっと…邪魔だよ!亮、あんたでかいんだからそこに立たれたら通れないでしょ!!』
振り返るとそこには気の強そうな女の子が立っている。
さらさらのロングヘアーに見覚えはあるがわからない。
口調から苛々しているようだったが、顔は笑っていた。
「あっ!ごめん。」
とっさに避ける亮佑。
「……ん?亮って……?」
不思議に思う亮佑。
「どうしたの?亮、もうすぐ先生来るよ?」
可愛い女の子は親しげに話しかけてくる。
(うーん…誰だろう?あだ名で呼ぶ人なんてそんなにいないぞ。威張れる事じゃないけど、女友達なんて片手で数えられる程度だ!)
「どうしたの?」
村瀬は尋ねる。
「ごめん・・・誰だっけ?」
亮祐は申し訳なさそうに尋ねた。
「えぇ!?わからないの!私よ!私・・・村瀬よ!村瀬聡美!!」
少し怒った口調になった。
「・・・?あっ!村瀬かよ!でも、全然違うじゃん!」
亮祐はかなり驚いている。
「まぁ化粧してるから気づかないのも頷けるけど・・・」
村瀬は少し嬉しそうに言った。
[あの村瀬?でも、化粧でこんなに変わるのか?]
亮祐はちょっとした恐怖すら覚えた。
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