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二人はベッドの上で固まってた
『あのさ…』
『何してるの?って聞いているのよ…』
2人は黙ったまま離れ彼女は布団に潜り込んでしまった
彼は黙ったまま下をむいていた
『何で黙ってるの?何してたの?って聞いているのよ…自分達がしてた事じゃないのよ』
私は段々声が怒りに震えてきたのを感じていた
こういう時の女と言うのは自分の愛する彼を憎い筈なのにどういう訳だか女の方に怒りの矛先を向けたくなるのである
下を向いた彼の横を通り過ぎベッドの中に潜り込んでしまった彼女を殴った 蹴った 髪を引っ張り裸のまま部屋中引きづりまわした 彼は流石に泣いている彼女の姿を見て私を止めた
私は又怒りが吹き出してきた
『何でよ!彼女がどうみたって悪いのに何で彼女を庇ったり助けたりするの?』彼はただ『ゴメン…』と一言呟いた
私は気持ちに収まりが付かず裸足のまま部屋を飛び出した
1月の寒い時期だと言うのに素足にパジャマの私は涙でグチャグチャになった顔を拭きもせず ただひたすら歩いた
行く場所私には無いのに…そう気がついた時には道端にへたり込んで又声を押し殺して泣いた
そこへ若い2人の男が近づいてきた
『どうしたの?そんな格好で泣いてて…何があった?話すと楽になるから話して』と言う声に私は黙ったままただ涙を流してた
暫くすると彼が私の上着とサンダルを持ち追いかけてきた
彼は私に寄り添い黙ってついていてくれた男の人達に『お前らには関係ないんだから いけ!』と声を荒げた
が、彼等だって今まで穏やかでは無いことで私が泣き崩れていたのは声にしなくても判ってるから
私に『大丈夫?暫くこの辺りにいるから何かあればすぐに戻ってきなよ』
そう私に小声で声をかけてくれた
私は彼等に迷惑がかかるのが嫌で軽く会釈を交わし彼が持ってきた上着を無造作に奪い サンダルを履いて何処へ行くともなく歩いた
彼は私に『ゴメン。もうしない。お前を泣かせないから』
そんな言葉を語りかけてきたけどその時の私には心には響かなかった
頭の中には別の事で思考がいっぱいだったから
目には目を刃には刃を
私は家に入る前に彼にボソッと冷静な声で聞いてみた
『彼女は?』
彼は『多分もう始発出てるし帰ったんじゃないかな?』
『あ…そ…』私は極力冷静を装いながら歩いた
部屋に入ると
私の洗い立てのパジャマをきて高鼾で寝ている彼女が目に入った
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