裏切り

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裏切り

彼と知り合ったのはウルサい親に反発する気持ちが強く そんな気持ちを判って欲しくて 家出をしていた時だった いわゆる逆ナンして一人暮らしの彼の部屋に転がり込んだ。 正直後悔した… お風呂も無いしトイレも共同… 環境は最悪だった… でも私にはウルサい親に反発する気持ちが強くて行く所無いし 少しの間置いて欲しい と言う私の言葉に彼は快く頷いてくれた 最初は知り合いに会ったら親に知られて連れ戻される そんな恐怖心から銭湯に行く以外は、部屋に引きこもりみたい状態だった それでも数ヶ月したら夕方暗くなり始めてから近所の雑貨屋に飲み物やお菓子や雑誌を買いに行ったりするようになった その内彼の友達とも遊ぶようになり始めてから 親からウルサく言われ続けていた毎日が嘘のように楽しく時間が過ぎていく 彼は朝夕には新聞配達をしながら夜の学校に通っていた。 だから彼の同級生は年齢がバラバラ それでも楽しくて 段々昼間も外に出たりするようになった その頃には親の存在は頭の中の90%忘れていた ある日私は高校時代の女友達に連絡を取った。彼女は久しぶりと言う気持ちもあり次の日には遊びにきた。 彼 私 彼女の3人で食事したり UNOしたり 話しながら夢中になり 気がついたら深夜0時を過ぎようとしていた 彼も私も深夜の女の子の一人歩きは危険だから泊まれば?と提案した。 彼女も快諾して3人で狭い部屋に寝る事になった あくまで彼女はお客様 ベッドに休んで貰い私と彼はコタツで休む事にした 3人共お酒が入ってたせいか 直ぐに眠気が襲い始め 誰からともなくスースーと寝息を立て始めた… どの位時間がたったのか飲み過ぎて段々トイレに行きたくなってきたが元来お酒が弱い私はまだ酔いが回ってて目が開かない… それでも耳は周りの音を収集し始めていた… ん?何?この音… ギシギシ何かが軋む音がして コソコソと話し声が聞こえる え? 段々ハッキリしてくる意識の中で私は不安な予感をかき消すように自分の心の声と戦っていた ダメ!目あけたらダメ! 違う?まさか? でもどうして?なぜ彼女と彼が…今日初めて会ってそれも彼は私と一緒に住んでる…まさか…私は自問自答しながらも なぜ私が遠慮しないといけないのかと段々腹立たしくさえ思えてきた『あのさ何してるのよ』静かにそして低い声で2人に問いかけた…
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