君の好きな花②

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「晋ちゃん………。」 彼を見る、私の声も少しかすれた。 「晋ちゃんは、毎日、そうやって悲しさの苦しみの中で生きているの? ブランドやカメラだって…自分のためじゃなく。ミキさんのためなんでしょ…? そんなの…悲しすぎるよ………………」 晋ちゃんは何も言ってくれなかった。 私は唇をかみしめて言った。 「ある人からの…………伝言です…。 『あなたは充分苦しんだ…だから、もう、過去にとらわれちゃダメだよ。自分のために生きなきゃ。自分のために笑わなきゃ………』」 瞬間。右腕をひっぱられて傘が宙に舞った。 雨が頬濡らして、 私は彼に抱きしめられた。 強く。 強く。 心の痛みをぶつけられるように 彼は私を抱きしめた。
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